「ひぐらし」シリーズには、小説という媒体で初めて接しました。
読んで思ったのは、なるほど、萌えキャラをスリラーの中でうまく使っているなあということ。
出てくる女性キャラと中盤までのノリは、まさにギャルゲー。その明るく楽しい印象が、横溝作品を思わせる陰惨な事件によって壊れてゆくさまが丁寧に描かれており、さすがあの「月姫」と並んで同人世界の伝説をつくっただけのことはあると感じました。萌えキャラクターの使い方の巧みさは、西尾維新さんにちょっと通じている気がします。
冒頭を除いて、前半がギャルゲー的展開である点(これはこの作品の成立に不可避のことなのですが)と、「…」の使い方が、一つだったり二つだったりという点は引っかかりましたが、内容も文章も、読んでいて支障のないレベルです。あくまで上巻のみということで、評価は星三つというところでしょう。
しかし、大きなマイナスなのがBOX文庫の値段。上巻だけで1000円オーバー。下巻は1500円を超える。しかも毎月連続で計7冊刊行。これはちょっと高すぎやしませんか、講談社さん。
人気作品だから高価でも確実に稼げると計算されているようで、非常に嫌な感じがします。そもそもBOX文庫は他社のライトノベルとどこが違うんでしょうか? まあ多少、対象年齢は上でしょうが、若者向けの作品だからこそ、ノベルスや、安価な文庫体裁での販売をして欲しかったと強く思います。