「ひぐらし」小説版第三編の上巻です。編が変わるごとに様相を変えて繰り広げられる不気味な事件の数々。いわゆる「萌えキャラ」を巧みに利用した、日常と惨劇との落差。その衝撃度は相変わらずの素晴らしさで、シナリオ的には、なかなかお目にかかることのできない傑作に仕上がっています。ギャルゲー的展開の前半部はやや食傷気味な気もしますが、ファンなら文句なしでしょう。
しかし、高い……(涙)。
「ひぐらし」は本格推理、メタミステリなどの側面も有していますが、分類的には明らかにライトノベルの範疇に入ります(講談社さんは『ライトノベル』という呼称を頑として使おうとしませんが)。文章、ギャルゲー的前半部から見ても間違いない。そんなライトノベルで一冊1500円オーバーって……高すぎるのもまた間違いのない事実です。
これはライトノベルではない! これぞ小説だ! と言い張ったとしても――同じ講談社の本格推理の傑作、綾辻行人御大の「暗黒館の殺人・文庫版(一)」などは781円なのです。「ひぐらし」購入者は若者が多い事実から考えても、箱になど入れず文庫にして、800円程度に抑えるのが出版社の良識ではないでしょうか? 第一編上巻だけを安くして購入させ、急に値段を吊り上げて金を稼ぐ……そんな嫌な姿がちらちら見えるのは気のせいでしょうか?
もし「解答編」も同じ体裁で出し続けるのならば……ちょっと購入は考えさせていただきます。