コミック版オリジナルの完全新作『ひぐらしのなく頃に』。『鬼曝し編』に次いでのリリースです。
元々『ひぐらしのなく頃に』と言う作品は素材として非常に加工しやすい(印象的なキャラクター、特徴のある舞台設定、ループする世界観、ホラー・ミステリー・恋愛・萌え・ギャグ・社会問題等、様々な要素が散りばめられているシナリオetc.)が故、様々な形での「外伝」が制作されている訳ですが、この『宵越し編』の場合、原作者・竜騎士07氏がシナリオを書き下ろし、監修として携わっている点が非常に高ポイントですね。
時は平成18年、廃村となった雛見沢村を複数の人々が訪れる所から始まります。お互い面識のない男女が何故か一緒に過ごす事になった雨の一夜、発生する不可解な事件、どのように絡んでいるのか先が見えない人間関係等、非常にミステリー要素の濃い作品であるというのが一読後の感想ですね。残念ながら『ひぐらし』の持つ明るい要素はほとんど無く、張り詰めた緊張感と、得体の知れない不気味さが強く押し出されている印象なので、「みー」や「はうー」を期待していると肩透かしを食らいます。
又、いずれかの編の後日談では無い点にも注目。雰囲気的には『罪滅し編』『鬼曝し編』『目明し編』等の要素が覗えますが、そのどれとも異なった昭和58年を受けての物語となっている点、原作を熟知している方なら非常に興味を惹かれる展開だと思います。
明らかに『ひぐらし』の法則に反していると感じられる部分もありますが、これにどのように整合性を与えるのか、今後の展開が非常に楽しみとも言えますね。
ややクセが強い絵柄なので違和感を覚えるファンも多いでしょうが、決して稚拙と言う訳ではなく、しっかり練られた構図やキメシーン、丁寧に描き込まれた背景やキャラクターの表情等が非常にいい味を出していると感じられます。「違う事」に楽しさを見出せる方になら是非お薦めしたい作品です。