『ひぐらしのなく頃に』を題材としたアンソロジー小説シリーズ第6弾。各作者ごとの独自推理、発想、解釈を基に綴られた短編集であると言う編集理念は最初から変わっていません。
今巻を一文字で表すと「還」と言った所でしょうか。執筆陣からは、前巻で最初から通して参加されておられた方々が消え、今巻では第2弾から執筆を続けておられた方も消えてしまったため、このシリーズを最初から楽しませてもらっている者にとっては、かなり面子が変わったなぁというのが第一印象です。ただ、同じ方が何編も執筆をしていると、こなれてくる反面、変化球的な作品が多くなってくるもの事実で、それはそれで楽しませてもらえるものの、本編からの逸脱もまた激しくなっていると感じていました。今巻では3名の新執筆者を迎え、このシリーズ第1弾の時に多く見られたような、本編に則したサイドストーリーや裏解釈的な作品が多く収録され、シリーズの原点に還ってきたような印象ですね。
本編が全8編までリリースされた現在、それを踏まえた上でもう一度独自解釈にて過去の編を再評価している作品がメインとも言え、『ひぐらし』の世界にドップリとはまってしまった方には非常に興味深く楽しめる内容だと思います。
中には新執筆者が変化球を投じている作品もありますが、文体が今までとは異なっている分新鮮に感じられましたね。
但し今巻の帯に「ネタバレ注意!」とデカデカと書かれているように、全8編を知っている事が前提となっている作品(過去にも決定的なネタバレを含む作品はありましたが、それが前提となっている作品は初めてです)も含まれていますので、特に「皆殺し編」「祭囃し編」を未プレイの方は要注意です。
全体にギャグ色が薄めで、久々に悲劇的な結末を迎える作品もありますが、今巻の様に陰陽織り交ぜた方が『ひぐらし』らしいとも言えますね。色々な意味で「原点回帰」なアンソロジー集と感じられました。