著者は決して教育や心理の専門家ではない。しかしそれゆえに見えてくる、そして「強者(勝者)の論理(いわゆる勝ち組の人間にしばしば見られる独善的傾向)」に立脚したものでない、当事者と同じ目線で考えた「ひきこもりからの出口」が示唆されている。
前半は、当事者や親に見られる、不登校・ひきこもりを誘発する原因や背景を平易にまとめている。当事者の「エネルギー不足」・自己否定感・繊細な感性、親の「無意識の、善意による、『躾』」等が、著者自身の活動を通してあげている。中盤以降はそれを受け、不登校・ひきこもりを「育て(ち)直しの機会」ととらえ、具体的な復帰のしかたの例を提案している。
随所にみられる著者独自の視点(決して悲観視せず、社会等のせいにせず、という基本姿勢からくる)は、この問題にとりくむ人には十分参考になるはずである。