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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
誰が決めるでもない、私自身がこれで良いんだって思えるのだから,
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レビュー対象商品: ひかりをすくう (単行本)
ひたすら走って、ひたすらクロスを上げ続けるサイドの宿命(作中より)東京ではたらいていた。 がんばっていた。 けど、もう続けられない。 ただ逃げているだけなのかも知れない。 それでも気がついたんだ。 私を追いつめたのは自分自身だって…。 東京での仕事を辞めて、田舎町に移り住み自儘な暮らしを始めた女性と連れ合いの物語。 スタートラインはない。ゴールもない。イベントだってない。 橋本さんが自悟する「日常の地味な話」の枠からはみ出すことのない作品。 でも、そんな当たり前のように目の前に転がっていることを文章、そして物語にして綴る中で日常の大切なものを見せてくれます。 たとえば、冒頭挙げたクロスの話が現実にある“そういった生き方”の比喩に思えるなど。 作中で触れられているとおりこれは“読み手の勝手な思い込み”なのかも知れませんが、この一文の後に「報われない」「でもこつこつ努力するポジションを誇りに思う」と続くのだから余計にそう思えてならない。 迷うことなく人生を歩んでいる・謳歌している人には本作から感じるものはないかも知れません。 けれど、少しでも何かに悩み、迷いを抱いている人の心には響くかも知れない。
15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
例えば,
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レビュー対象商品: ひかりをすくう (単行本)
例えば、静かなピアノ・ソロ。穏やかに始まり、次第に熱を帯び、ゆるやかに冷めていき、心地良い温度で締めくくられる極上の音楽。 例えば母の子守歌。 沢山の経験を重ね、喜び、憂い、日陰の寒さを知って尚、知ったからこそ、紡がれる優しい旋律。 柔らかい文体、物語としては収束しない結末。 読むというより聞くに近いこの本は、物語が終えた事で満足感を得るというよりも、本を読んだという事で満足できるような、良い人生経験をひとつしたかのような気分で本を閉じる事が出来ます。 静かに、優しく、時に生々しく奏でられる人生という名の旋律。 すんなりと読める文章はもはや音楽。 流れ始めた音楽は、幕が下りるまで聞きほれる事うけあいです。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
パニック障害を安易に持ち出さないでほしかった,
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レビュー対象商品: ひかりをすくう (光文社文庫) (文庫)
大都会で必死に働いているうちに、疲労が蓄積してパニック障害になった若い女性と、家事一切を引き受けて彼女を支える若い男との、都心郊外での静かな暮らし……。今ではこれだけで、即「癒し」の物語になってしまうのだろうか。部屋にさしこんできた「ひかり」を手ですくい、希望を感じつつ快復していく描写など巧みな点はある。けれど、このデリケートな疾患は、この皿はイッタラという今ブームの北欧のものだよ、このCDはイギー・ポップでちょっと渋いでしょ、というのと同レベルで扱われている。パニック障害で苦しんでいる人が読んだら、あまりの無理解に落胆するだろう。ヒロインの精神的葛藤を、もって踏み込んで書いてほしかった。
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