只野麦・月咲ゆうの二人を基軸に、広島県尾道市を舞台としたラブコメ「ぱすてる」も、第30集に到り、140話〜143話を収録。
今巻の主要ゲストは、第141話に登場する麦の幼なじみで幼少時代に隣県岡山に引っ越していったという「大杉めぐみ」。幼い頃に麦と交わした複数の約束を果たすために帰郷、麦やゆうらに触れ合いながら郷愁と、今後の人生への糧とする優しい物語。
また、レギュラー・村上菊が麦への“想い”を初(?)披露するのも見どころである。
ぱすてるが月刊誌に移行したとはいえ、ここまで長い連載を保ち続けている最大の理由は、やはり尾道という舞台設定を存分に活かし、主要キャラクタを大切に扱い、麦とゆうという二人の主人公を基軸に据えてしっかりと人間関係が構築・好循環を成しているということに尽きるだろう。
ストーリー自体は陳腐で二人の関係も遅々として進まないのだが、舞台の風景を大切にし、またキャラクタの取捨選択をせず、単発ゲストなども割り切り、無用とも言える枢要の撹乱を招くことがない。主人公を取り巻くサブキャラたちの個性をしっかりと生かしたストーリー作りをしているから、ストーリー自体が陳腐であろうと長く人気を維持し続けることができるのである。
尾道という風景を大切にしたラブコメなのだから、人間関係の清濁は本来二の次で良いのだ。小林氏はそれを重々活かしているのである。