今日たまたま本屋でこの「ばらの坂道」見つけて我が目を疑った。まさか復刻してるとは!トラウマ漫画として伝説化していた幻の作品で、存在を知って以来ずっと読みたいと思っていた。でも半ばあきらめてたのでチェックを怠っていて、全く気付いてなかった。
伝説的作品って今読むとがっかりって事も少なくないのでドキドキしたけど、心配は杞憂に終わった。読んでみて、今までただの1度も復刻されなかった理由がよくわかった。よくぞこの規制の厳しい時代に、改変もなしに出せたものだ。復刻に尽力された方々と青林工藝舎さんには、心からありがとうと言いたいです。
主人公は土門健という少年。彼は祖父とおかしくなった母との3人暮らしで、母の世話を全て荷っている。だがある日、母がつるはしを手に健の友人の少女を襲い、片足を使い物にならなくしてしまう。母はすぐ病院に隔離され、さらには時を同じくして祖父が車に轢かれてしまう…。土門少年はこのような苦難の果て、また担任の教えや占い師の予言によって、自らの器に目覚め自分が選ばれた人間だと確信するに至る。
そして彼は広大な土地を手に入れ、そこに自分の理想の村を創ろうと決意するのですが、これってもう完全に宗教の領域ですよね。
そして思うのが、これほどの不幸を描いた漫画って、他にいくつあるだろうかって事です。まるで街のよどんだ空気まで漂ってくるようだ。またセリフや問答の数々も、心に響くものが多かったです。