主人公は19歳の大学生ヒデです。
彼は、大学へ行くのもそこそこに、バイト先で知り合った額子とのSEX三昧に明け暮れています。ところが、額子が結婚を決意すると、彼は屈辱的な形で捨てられてしまいます。
その後、何とか大学を卒業し地元企業に就職しますが、アルコール依存症に陥って行きます。周りのみんなに迷惑をかけ見捨てられて行く彼が、事故を起こして、やっと病院へ入る決意をします。
ここまでの前半の主人公は、どうしようもないダメ男です。だからタイトルも「ばかもの」なのでしょう。
彼の毎日は、日々を生きると言うものではなく、日々の時間をどうやって潰してゆくか、です。
そのためのSEXであり、酒です。
これが後半になって、病院を退院してラーメン屋のアルバイトにつくと、何とか日々をどう過ごそうかと考えなくて良くなります。
更に、額子と再会します。
額子は、左手切断と言う事故に会い、離婚も経験し、髪が真っ白になるほど衝撃を受けていました。
この再会後の二人の関係は、やっと「人間らしい」、互いを思いやれる関係になります。
やっと、二人が大人になったと言う事でしょうか。
この二人の関係は、前半と後半では全く違います。
若いと言うがむしゃらで見境のない関係から、互いが互いを認め気づかう関係に進化します。
その間には、二人とも大きな犠牲を払いますが、遅ればせながら、やっと大人の男女の関係を作り出します。
傑作恋愛小説と言えるのでしょうが、単なる恋愛小説ではない深いものを感じさせてくれる作品でした。