00年刊行の単行本を4冊に分冊した4冊目,最終刊になります.
物語,そして『世界』を巻き込んだ戦いも結末を迎えるのですが,
剣を振るう主人公はもちろん,まわりの仲間たちの行動,決断には,
興奮して熱くなるというより,ゾクゾクするような感覚をおぼえます.
また,互いに惹かれつつも結ばれない主人公と『敵』となった相手.
この『悲劇』を起こすことになってしまったその本当の『理由』には,
哀しさだけでなく,なんとも言えぬいじらしさのようなものを感じます.
そしてエピローグ.新たな世界へ旅立とうする主人公を描きつつも,
前夜の仲間たちとのバカ騒ぎや,別れの場面をこまめにはさむ演出が,
歩きはじめた主人公の回想とも重なり,とても効果的な印象を受けます.
また,新しい世界への期待感と,孤独だった自分に帰る場所ができた喜び,
これまでに得た多くを抱きながら,多くの余韻を含ませる最後もキレイです.
やや曖昧なところが残り,スッキリとしない感があるのは否めませんが,
シリーズをとおして描かれた世界観には,最後まで圧倒されつづけました.
できれば2度3度,またはじめから読み直してみたいと思わせられる作品です.
余談ですが,単行本刊行時のことを綴った文庫版のあとがきも興味深いです.