00年刊行の単行本を4冊に分冊,その3冊目になります.
ある人物の復活,そしてそこから動き出した『できごと』は,
前巻からおおよそ予感できたものの,それでもやはり悲劇的で,
舞台となる王国をも巻き込んでいく様子は,登場人物だけでなく,
その王国の存在自体にも興味が惹かれ,その行く末が気になります.
また,これまで孤独,疎外感を感じながら生きてきた主人公が,
仲間というものを心地よく感じ,大事に思う姿が印象に残ります.
それでいて,その仲間たちとの別れをにおわせる終盤のやり取りは,
物語がおわりに近づいていることを,大きく意識させられるようです.
ほかでは,作中で執りおこなわれるいくつかの『儀式』が神秘的で,
アナグラムと絡めた造語なども,改めてその世界観に引き込まれます.
ただ,物語が長いせいか,同じ表現が目立ったのは少し気になりました.