表紙と女顔主人公(好きなので)ということで衝動買いしましたが、面白かったです。三人の男女が出会い、それぞれ人には言えない秘密を抱えながらも友情を育んでいく。男二人、女一人ということでなんか三角関係が頭に浮かびましたが、そんなことは無いようです。年頃の男女ですし、「お約束」もありますが、異性という意識はあまり強くは無いようですね。純粋な友情といった感じですが、友情を育む過程とか展開が妙にこてこてしすぎないところがいいです。こういうのって、最初はいがみ合ってて、大事件を通して絆を深めるって感じが普通ですからね。人によっては、盛り上がりに欠けた淡々とした印象を受けるかもしれませんが、全体的に優しい雰囲気が漂う作品です。他の人のレビューで「黄昏色の詠使い」の名が出ていましたが、納得。あちらと違い、悪意があるものはきちんと登場しますけどね。
ただ、自分が今回気に入ったのが、主人公ユウと生徒会長アレット。ヒロイン差し置いてますが、この絡みがいい。女顔で柔和な印象のユウに興味を持ったアレットですが、好意を自覚しないその姿がもう、いいですね。あとあとになって自分の行動に赤面するところとか、ユウに見られて張り切ってしまうところとか自分的にはつぼです。主人公も見かけによらず、芯の通った性格ですし、好感が持てます。うん、続刊が出たらこの二人はどんどん絡んで欲しいですな。
唯一の不満といえば、ちょっと敵が弱すぎたところでしょうか。今回は、三人の出会いや秘密がメインになっていたのでそこら辺は仕方ないかもしれません。改善されればなおよくなると思います。王道といえば王道ですし、はっきり言ってしまえば、「予想外の展開」というのは見込めないのかもしれません。でも、その分素直に読めますし、読後にすっきりとした気持ちになれる作品だと思います。楽しみなシリーズになりそうですし、続刊に期待したいと思います。