1977年頃の細野晴臣は、それはもう怖かった。
なにがというと、そのルックスがである。前歯は真っ黒、目はギョロギョロ、やせ細り髪はぼさぼさ。
おんなじ時期のストーンズのキースリチャーズ(ほとんど廃人)と、見まごうばかりの不気味さである。
そして、その音楽ときたら、、。
イエローマジックオーケストラのデビュウ当時、中学生だった僕は、友達の部屋でこのアルバムを拝聴した。
友人の兄所有のもので、「これが彼らの元となったアルバムだよ、」との解説付きでした。
僕は、このアルバムの異様さに口をあんぐり。まさに「ドン引き」した。
なにこれ!東京ラッシュ?インドネシア人が「ナニアノネ」と歌い、沖縄?フジヤマママ?おっ!YMOだ、なんか鐘が鳴ってる、えっ?なに?モアベターよ?えっ?終わり?
、、、。想像を超えた音楽に、冗談抜きで震えあがったものである。
そんな僕が、その後時を経て、細野氏のソロワークを集めるなぞ思いもしなかった。
僕のもっているのは、88年のCD化再発のもの。
10年以上たって、僕はこのアルバムの魔力にとりつかれたのである。
最近、僕は知り合いになった音楽好きの若い人たちに、このアルバムを盛んに勧めるが、その反応は、一様に「いいねこれ!」である。
軽自動車の1BOXで、ばかでかい音で聞く奴や、ほとんど毎日のように聞き、(うちの息子のように)いっしょにハミングする中毒症状を表す者も出てきた。
30年を経てもひとつも色あせない。それどころか、常に新しい発見があり、新規のファンをどんどん取り込む。
このようなアルバムが、日本のポップシーンで存在することを、私はとても誇りに思うし、ほとんど奇跡だと思っている。
(リマスター盤ほしいな、、、。)