はぴねす!の小説は、ハーヴェストノベルズから6冊、ハーヴェストなごみ文庫から1冊の計7冊が刊行されているが、ゲーム本編の公式ストーリーを小説化したものは、この本書「はぴねす!」のみであり、残るハーヴェストノベルズ5冊は創作短編集、なごみ文庫は単行創作小説となっている。
そんな貴重なただ一冊のはぴねす!公式ノベライズは、メインヒロインである神坂春姫ストーリーで完結している。主人公小日向雄真が幼少時に、苛められてる春姫を救うために魔法を発動させてしまうところから始まり、時は経って、瑞穂坂学園1年次の2月13日、渡良瀬準とチョコを買ってる時に春姫と、まだ二人はお互いのことを何も知らずに「再会」し、翌日雄真は春姫からチョコをもらっちゃうものの、同時に魔法科校舎倒壊事件が発生し、翌2年生の新学期から普通科・魔法科合同クラスで一緒になりクラス委員選出されたものの、「秘宝事件」なるものが発生し、それに首を突っ込んでしまった雄真は自分の生母である魔法科教員御薙鈴莉と運命的な再会を果たすものの・・・というおなじみのストーリーが描かれている。
バレンタインでのハチの猪突猛進ぶりと玉砕ぶり・音羽のモーションぶりといったはぴねす!恒例のドタバタ劇は特に前半部分で拝見できる。準は前半、特にバレンタイン前後では目立つものの、後半以降はほとんど登場しないのは物語の設定上仕方のないことだろう。ただし、雄真にとって準は自分と春姫を結びつける最大のサポート役として登場する非常においしい場面があるので、そこにはやっぱり同じくサブキャラであるハチにはできない準ならではの魅力が感じられ、準にゃんファンにとってはそこはドキッとするのは間違いない。
カバー裏表紙に「あなただけに見せる、優等生じゃない私。」というキャッチコピーがあるが、意外なことに本編内では、春姫の優等生コンプレックスがほとんど強調されておらず、秘宝事件での魔法対決シーンを除くと非常に大人しい女の子として描かれているので、その矛盾は何なんだろうと思うかもしれない。
ハーヴェストノベルズおなじみのHシーンでは、本書では雄真と春姫との行為シーンが二回登場するが、物語のクライマックスではなく、中盤以降に登場している。本書のクライマックスはもちろん、秘宝事件の式守伊吹と雄真の対決シーンではあるものの、本書の結論は雄真と春姫が結ばれるというものなので、Hシーンは決してお飾りではなく、二回とも大変重要な位置づけとなってる。
はぴねす!公式ストーリーのノベライズはこの本書での雄真と春姫が結ばれるエンドで完結しており、その後日談を描いた短編集「もっと、はぴねす!」を読むと、本書の面白みが2倍以上増し、ドタバタ劇・準にゃんの出番を期待したい人には2冊揃えて読むことを特におすすめしたい。なお、著者が異なる冬春夏秋の季節短編シリーズは、影山二階堂著の「はぴねす!」「もっと、はぴねす!」とは、はぴねす!シリーズの世界観を共有しながらも、全くの別物作品群と思った方がよろしい。