デブでチビの少年バスチアンは、古書店で目にした1冊の本に目を奪われ、たちまちその世界に魅了されてしまう。ファンタージエンという国を舞台にしたその物語では、女王「幼ごころの君」が病に倒れ、何もかも飲み込んでしまう「虚無」が王国を滅ぼそうとしていた。女王の特命を受けた主人公アトレーユは、その危機を救うべく探索の旅に出る。しかし、アトレーユの冒険の中には、読み手であるバスチアン自身の話までもが書かれていた。
幸いの竜フッフールをはじめとするユニークな怪物たち、古今東西の名作をモチーフにした挿話。そして、随所に挿入される「けれどもこれは別の物語…」という意味深長なキーワード。エンデの遊び心が存分に散りばめられた物語からは、世代を問わず誰もが、何度読み返しても、新たな発見を見つけ出すことができる。なぜなら、「幼ごころの君」が象徴するように、本書を通じてエンデが語りかけるのは、すべての人の心にある「永遠の子ども」に対してだからだ。本書にはまさに、果てのない物語が幾重にも広がっているのである。(中島正敏)
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35 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ネバーエンディングストーリー。,
By 紺碧の飛行人 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501)) (単行本)
ただただ素晴らしい。文学作品としての完成度も申し分なく、一気に読みきってしまいました。ファンタジーとはこのように手に汗握るものでなくてはなりません。バスチアンが冒頭で述べている通り、「本は閉じている時、その中で何が起こっているのか」という問いの答えが本書であるような気がします。まるで合わせ鏡の中にいるかのような世界観は圧巻です。 またその物語としての素晴らしさに加えて、現代への風刺も忘れていないあたり、『モモ』の作者であるエンデらしいと言えるのではないでしょうか。虚無の広がりと言うのは、明らかに子どもの本離れや空想力、想像力の低下を示唆しているものではないでしょうか。作者はそれを「虚偽の氾濫」としてはいますが実際にはもう少し深いところに問題はあるはずです。
16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イメージの美しさが印象的でした・・・,
By 現は夢 (日本) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501)) (単行本)
私はこの上巻が特に好きです。ファンタージエンの不思議な住人達、幼ごころの君が住む迷路苑の中にある象牙の塔、 向かい合うスフィンクス、ウユララのいる神殿など、 ファンタジーならではの美しく幻想的な イメージに満ちていて、とてもいいと思います。私は特にウユララの出てくる 「静寂の声」の章が好きです。韻をふんで話すという設定が面白いです。 もちろん話の内容も、壮大で幻想的な中にも考えさせられるものも
37 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
子供に与えるべきはこっちではない,
By ねこまっしぐら (愛知県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501)) (単行本)
ソフトカバー版って、電車読書のリーマン用?そういう外観にも見えないので、これってやっぱ「廉価版」なのでしょうか。 だとしたら岩波には激しくがっかりです。 ソフトの方が断然売れている。 つまり、需要はあったということか…。 いや、みんな騙されているぞ。 上下に分かれてるから、二冊で約1,500円。 結局は半額程度のお得感しかない。 これから買う方には、謹んで進言したい。 この本の装丁は、内容に激しく関係しているので、 廉価版ではダメなのです。 電車で再読したい方にはこれでもいいですが、 お子さまに手渡すなら絶対こっちじゃありません。 書店で実際に手に取り、そして読めばわかります。 ハードカバー版は、10倍もの価値があると。
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