十人十色。それは「初恋」についても言えるが、そんないろいろな「初恋」の形をテーマにしたコミックだ。
作者は、タイトルをあえて「はつこい」と銘打っている。
漢字で表記してしまうと、堅苦しい大人になってからの回顧をイメージしてしまうが、
若々しく、甘く、ほんのすこしだけほろ苦い思春期の想いを「はつこい」という言葉が蘇らせてくれる。
私が気に入った話は前編後編で分かれている「想い。」
詳細は手にとってみてもらいたいので敢えて書かないが、「はつこい」というものが
ただの憧れではなく、相手を愛しく思う気持ちのそれだと気づいて行く過程が
よく書けていると思った。(基本的に一話読み切りの形式だったので、前後編あわせても四〇ページ程度しかない。
それだけのページで本当にうまくまとめていると感心した)
また最後の回には、作中キャラのひとりひとりの絡みが織り込まれていてニヤリとさせられる。
群像形式での作品運びを好む作者の、遊び心が光るラストである。
最後だけ読む、と無粋な真似はせず、ぜひ購入して、家で頭から読んで欲しい一冊である。