アップグレード版ということですが、自分ははっぴいえんどのライブはこれが初めてなので、とても楽しめました。「はっぴいえんどのライブはつまらなかった」なんて言われていた事もあった様ですが、全くそんな気配もありませんよ。昔の評論家の人たちはどういう耳をしていたのでしょうか。演奏は1970年8月に開催された第2回全日本フォークジャンボリーから始まり、翌年4月の「加橋かつみコンサート」1年後の日比谷野音「ロック・アウト・ロック・コンサート」と「第3回全日本フォークジャンボリー」の4つのライブ音源からセレクトされており、ちょうど「はっぴいえんど」と「風街ろまん」の2枚の間の時代をを聴ける事になり、「ももんが」 〜「暗闇坂むささび変化 」など楽曲が完成されていく様子も伺えます。これまで「はっぴいえんど」と「風街ろまん」の2枚しか知らなかったのが悔やまれるぐらい素晴らしい演奏で、特に松本隆さんのドラムがパワフル!細野さんの安定感のあるベースと相まって、同じ頃の欧米のグループとも遜色ないですよ。また茂さんのギターも素敵なファズトーンでうねりまくり。「かくれんぼ」などの長めのインプロパートはすこしジャズっぽいムードもあり、意外な発見でした。個人的なベストトラックは「朝」。デビューアルバムに収録されているアコースティックなバージョンはM-1のトラックで聴けるのですが(誰がヴァイブ叩いているのでしょう?)、M-14のトラックはエレクトリックなバンドサウンドですごく穏やかで静寂な空間を作り上げています。この景色は、この25年後、佐藤伸治というアーティストによって見せてもらったことを思い出しました。曲の構成や長さなどは現代のロックバンドとは違うのですが、とても40年前の若者が作り出したとは思えない名演奏ばかり。「はっぴいえんど」「風街ろまん」と共にずっと聴いていくことになりそうなライブアルバムです。