ドイツの絵本作家クネッケさんの代表作「アントン」シリーズの一冊です。アントン少年はひとりで庭そうじをして、やっと大きな葉っぱの山を積み上げます。でもそこへ新たな葉っぱが一枚ひらひらと舞い降ります。アントンがこれで最後の一枚だなと拾おうとすると、不意に気まぐれな風が吹いて来て葉っぱが逃げて飛んで行ってしまうのでした。
はっぱのたった一枚ぐらい放っておいてもどうって事ないと思うのですが、たかが葉っぱされど葉っぱで子どもの心に火がついて意地でも捕まえようと必死になってしまうのですね。気まぐれな風さんは思いの他手強くて、あっちにひらりこっちにひらりと移動しながら、次第に人数が増えて行く子ども達に決して捕まえさせない様子は、まるで生きて意志を持っているみたいで苦笑いさせられます。ああ、一体いつになったらこの追っかけっこは終わるのだろうな?と思っていたら・・・・。作者は「そうか、やっぱりね」と思わせる巧妙な企みに満ちた少し意地悪な結末を用意していました。あなたもこのあっけらかんとした無邪気な子ども心を感じさせる結末に誰もがニヤリと微笑みを浮かべるに違いないシンプルな4コマまんがの様な雰囲気のほのぼのとした絵本をどうぞ気軽にお楽しみくださいね。