久々に谷川俊太郎の詩集を買った。箱入り。装丁は平野甲賀。
全編、ひらがなだけの詩。それも17行ほどの短さ。
まるで子供が書いているようだが、想像力は恐ろしいほどに研ぎすまされていて、
陳腐な(想像できてしまうような)フレーズが1行もない。
題名から予想されるどんな展開も裏切って、詩人は詩の中で自由になる。
ひらがなで書かれているので、小さな子でも読める。内容はすべて子供たちが主人公だ。
しかし『がっこう』という詩の内容はどうだろう。そこでは校舎が燃えあがり、ピアノが爆発し、
鉄棒は熱で曲がり、空が火の粉で真っ赤になる。それが谷川俊太郎が平仮名で書く「がっこう」だ。
『世間知らず』で顕著になる、現実直視の冷徹な視線が、この詩集の中にも行き渡っている。
一編の詩に対して、1枚の佐野洋子の絵がついている。
詩を説明するものではないが、子供的世界をうまく表現していて、本としての広がりを出している。