実務に直接携わる予定がない受験者や消防設備の初心者・入門者にとって、1類の場合、4類や6類などと比べると勉強がしにくい、覚えづらいという感じがあります。
1つは、消火器などと違って、実務に携わらないような人には貯水槽や末端試験弁、ポンプ整備などのある部屋に入ってこれらの設備を目にしたり触れたりする機会がほとんどないことです。
もう1つは、市販されている1類のテキストや問題集の多くは「これから1類を覚えるぞ」「消防設備の道へ足を入れるぞ」というような人に不向きな内容だからです。
実際、初心者がテキストを手に取りながら、いざポンプ設備やバルブなどの点検・整備(操作)をしようと思っても、ほとんどのテキストではその方法や手順が写真・イラストで書かれていないため、まず出来ないな気がします。
消防設備士の試験では、実技(鑑別)にて点検や整備の方法や手順の説明を書かされたりするわけですから、その方法や手順がわからなければ合格できるはずないのです。
この本は、市販されている1類消防設備士のテキスト・問題集の中では、点検や整備についてのイラスト付き解説があり、初心者・入門者向けの内容になっています。そういう意味では、お勧めできると思います。
一方、構造・機能の分野では、電線、電線の接続方法、ブレーカーやヒューズ、アースなど電気に関する問題も出る(電気工事士や電験は免除)のですが、この本に限らず、1類のテキストや問題集では電気に関する構造・機能があまり出ていないのが気掛かりです。1類の多くの受験者は電気の免除資格がないことを踏まえて、電気分野の構造・機能はきちんと取り上げて欲しいものです(たとえ電気工事士の免状があってもペーパー工事士なら電気関連の構造・機能の問題は半分くらいしか出来ないはずですし)。