この本はこれから科学を社会とリンクさせていきたいと願う人のためにあるように思う。初心者向けの本であるため、すでに同様の活動をしている人たちにとっては、物足りない面もあるのかもしれない。しかし、こういった入門書こそ、今、必要とされているのではないだろうか。これまで「まず技術ありき」の日本では軽視され、無視されつづけてきたことなのだから。
私のようなサインエンス・カフェやコンセンサス会議といった活動をまったく知らなかったものでも(だからこそ?)、読んでいてじゅうぶん刺激的だったし、おもしろい取り組みだと思えた。先端科学が何をしているのかさえよくわからないまま、その技術のなかで生きざるをえない現在、こういった本の読者をとおして、またこの本に書かれてあったようなさまざまなイベント、機会をつうじて科学がもっと私たちの身近なものとなるようにと願いたいし、少しでも興味を感じた人には、ぜひ手を伸ばしてもらいたいと思う。