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超伝導の理論は量子力学とか熱力学とかのいろんな学問からできているものだから、けっこう話は複雑。
そこでこの本は、本文を会話形式にするということを選んだ。話は先生役の「雅人」と質問役の「学生」らの問答で進んでいく。このスタイル、ちょっと子供じみているんじゃ、と最初は抵抗があった。けれども重要なところを繰り返ししゃべってくれるので、このスタイルでよかった。ただし、質問役の「学生」も相当レベルは高く、先生の解説のさらに上をいく質問もいくつかあった。3、4回読んで話がつかめるところもチラホラ…。
もうひとつの工夫は、入り組んだ話をわかりやすくするために、「基本原理→超伝導への応用」と、話を二段構えにしているところ。たとえばトンネル効果を説明してから超伝導での電子の振る舞いを説明したり、熱力学(エンタルピーやエントロピー)を説明してからマイスナー効果を説明したり。基本的なところをおさえておいて応用に進むような学び方が好きな人にはおあつらえ向きだ。
超伝導の話でよく目にする、磁石が浮き上がる映像。あれは「マイスナー効果」ではなく「ピン止め効果」なのだということが繰り返し強調される。
もっともマイスナー効果とピン止め効果は、じつは物理学者でさえも混同している方がいるという。ということは、この本に書かれてあることをしっかりと覚えておけば、専門家をもしのぐ知識を得られるということ! 難しいところもあるけれど、少なくとも磁石が浮くのは「マイスナー効果」ではなく「ピン止め効果」だということは頭に染みつくはずです。
これから酸化物超伝導体の研究に取り組もうという方には、この本と共に以下の専門書をお勧めします。
高温超伝導の材料科学 -応用への基礎としてー 内田老鶴圃 村上 雅人 著
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