まず、装丁、文字組、デザイン、本のサイズ、本の重量ともに読書しやすいように考えられた本です。
それだけでもまずこの本を手にしてめくってみる価値はあります。
そして何より内容が素晴らしいです。
「はじめての編集」というタイトルではもったいないくらい多くの貴重な文章がつまっています。
編集に携わる人でなくても、読んで意味のある事を誰しもが見つけられる本で
日本語のいわゆる編集という狭い枠におさまらない、一つの文化論をわかりやすい
文章で説明してくれています。
構成も6つの各章でどのようなポイントを話したいか一貫していますし、流れもいいです。
多くの本で途中で論点がぶれて何を言いたいのかわからなくなるのが多いですが、
この本はそんなことは一切ありません。
また、説明した本や雑誌、写真やWEBなどのメディアについて、ほとんどのもので
図版がついているのも評価されるべき点です。(これが出来ていない本が多い!)
また著者が触れてきたた本の中にある示唆に富んだ言葉がちりばめられ、
古今東西を問わず、歴史や過去の事例からきまりや仕組みを知り、
いかに文化が形成されたか、またどういうつながりがあるか
などの枠組みも理解できます。
著者の見識の広さと、社会との距離に配慮した適度な深さが文面で見てとれます。
論旨が軽くなく、読みづらい重さもないという事です。
大学での講義よりもこの本の元になったコニュニティカレッジの講座の方が
価値があると思わせるような内容で、”文化”という事に興味がある方全てに
是非とも読んでもらいたい1冊です。