レヴィ=ストロースをメインに構造主義(の基礎)をわかりやすく解説してくれている好著。内容だけでなく文章自体もとてもわかりやすく簡単なのですぐに(数時間から数日で)読みきれる。レヴィ=ストロースの理論の説明もさることながら私としては現代数学の発達を論じている部分がとても面白かった。昔、線形代数の抽象概念を学んでいるときに、何のためにやっているのか良くわからず、ついでに現代数学をカッコよさそうだから少しかじろうかなと思ったときもあったが、数学的素養云々の前にそもそも数学者が何をしたくてどのような学問をどういう風に築き上げてきたのか、まったく理解できそうになくあきらめてしまったという不幸な過去を持つ私はこの本ともっと早く出会っていれば人生が少し変わっていたかもしれないと少し残念な気がしている。ただ少し手遅れだが、この本を読んで現代数学の一部がどのような問題意識で発達してきた学問なのかということを少し垣間見れたことは喜ぶべきことなのかもしれない。もちろん数学の本ではないのでこの本を読んだら数学の実力が上がるというわけではないのだが、大学の数学が何をしたいのかわからない大学1,2年生などはこの本から何かを学びとることができるのではないかと思う。