若年者向けに筆者が自ら選んだ短編を集めている。難しい漢字にはルビがふってあるし、活字も大きい。
まずは本自体がとても美しくて、手触りがいいのだ。若年層に本というメディアを刷り込む上でこれはとっても大切なことだ。
選ばれている短編は、どれも読みやすくて(筆者はあちらこちら、かなりの修正・加筆をしたそうだ)もちろん嫌な後味のするものは無い。
村上春樹入門書として、読書入門書として、文句のつけようのない素晴らしいできだ。
星ひとつ少ないのは、感情をゆさぶられるような、集中して読書できて次が気になって眠れないような読書体験が無かったからだ。
短編集なのもあるから、それを期待すること自体が間違いなのは良くわかってるんだけど。
もっと素晴らしい読書ってのもあるんですよ、という、
長編小説などの次のステップに進んでいくであろう若い読者へのメッセージ的な意味もこめての星4つです。