全編100ページ強、紹介される料理には一通りのカラー写真付き。
たぶんこの手の本としては掲載されているレシピ数も標準レベルだとは思われるが、
おそらくはそのバリエーションの豊かさゆえのことだろう、不思議と高い充実度を
感じさせてくれる。取り留めがないといえば確かにそういう言い方もできるのかも
しれないが、3人の書き手さんが分担して一冊に収録したことで、調理法といい、
食材といい、ポジティヴな意味で幅の広いテキストになっているように思う。
もちろん、身近な食材でなんとか仕上がるように、日本人の味覚に合うように、との
配慮の結果なのだろうが、ヌックマムを醤油に、香菜を長ネギあたりに置き換えただけで、
なんか実はありふれた日本風家庭の味じゃん、という気が時にしないこともない。
実際、概ねレシピに忠実に作ったいくつかの料理(ただし香菜抜き)は、確かにうまいけど、
あまり異国感しなくない? という味だったし。
バイン・ミー(サンドイッチ)の挟み方やカラメルの作り方をいちいち写真で教える、って
いったいどれくらいのレベルの読者を想定しているのか、疑問に思わないでもない。
でも、作る前に味の見当がだいたいつくというのも入門書としては長所なのだろう。
彩りも鮮やかで写真を見てるだけでも普通に楽しいし、料理本としては十二分に
合格ラインのクオリティにはあると思う。