この本は、同じ著者の『ニーチェ・愛の言葉』より100倍優れている。
ニーチェはたくさんの箴言(アフォリズム)を残しているが、
その箴言だけを抜き出すと、誤解が生じる危険性が大きいと思うからである。
その点、同じ著者が同じ時期に出した『ニーチェ・愛の言葉』 は、箴言集で
しかも語りおろし。解説がないのでニーチェが誤解されてしまうのである。
『超訳・ニーチェの言葉』で突然始まったニーチェブームに乗り遅れまいと二冊も
同時期に出そうとしたのは賢明な策ではなかったようだ。
こちらの『はじめてのニーチェ』くらい簡単でも解説を入れないと、ニーチェは誤解を生むのです。
本作はその点、初学者向けによくまとまっていると素人の僕は思いました。
「しかしこれでもまだわからない」(僕もそうですが)人は繰り返し読む必要があります。
本の惹句のとおり1時間で読めますが、おそらく1時間で読んだのでは何もわからないからです。
それで疑問がわきあがり、ニーチェへの関心が高まった人には、
こういう順番で本を読んでみたらという僕なりの提案があります。
著者も巻末に同じ趣向のアドバイスを付けていますが、僕のはちょっと違います。
1 『はじめてのニーチェ』(本書 摘菜収)
2 『ニーチェ・すべてを思い切るために』(貫成人 摘菜氏の著書とは若干解釈が違います)
3 『善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学』(中島義道 摘菜氏の著書とはヒトラーとニーチェの関係について意見が異なります。僕は中島さんに賛成です)
4 『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル ニーチェの本ではありませんが、なぜ哲学が正義を議題にするのか、そして、ニーチェが厳しく批判したカントのことが分かります)
5 『いたこニーチェ』(摘菜収 小説ですが小説嫌いの人でも読めます。おもしろい)
6 このあたりにきたら、もう、ニーチェの著作そのものを読むのがよいと思いますが、はっきりいって難しいです。ものすごく読むのに時間がかかります。考えながら読むと頭がボーっとします。
大抵の人が途中で諦めます。だから、5番目でやめても人には「二ーチェは読んだよ」と言っても決してバレません。