クラシック音楽を聴こうと思い始めて、何か手がかりのようなものがあればいいなと
思って探していたところ、大学図書館の新書コーナーにあったのを偶然見つけてまさにお誂え向きだと思い早速借りて読みました。
入門書から想像されるような内容、たとえば「まずこの作曲家のこの交響曲を聴け」とか言ったようなことはほとんど書かれていません。私はむしろそういった内容を想像していたのですが著者は敢えてそれを避けたようです。確かにそういった本は巷にあふれてますし、その存在は意味のあるものでしょう。しかし、この本の趣旨はまったく別のところにあります。
クラシック音楽というと、あまり聴かない人にはやはり敷居が高く感じられます。
だから名演・名盤といった無難なガイドが欲しくなるのでしょうが、そこに危険が存在していることを著者は指摘しています。つまり名演を聴き、知っていることで「通」になったと思って視点が狭隘になってしまうことです(フルヴェンこそ至高、カラヤンはダメ、みたいな)。著者がこの本で述べているのは一貫して、音楽に対する謙虚な姿勢だと思います。ある作曲家や演奏家を嫌いといった時、その人は彼らに嫌われている、とはなかなか耳に痛いです。
この本で書かれているのは、クラシックに限ったことではないと思います。
音楽の根本に触れる内容で、真摯に音楽と付き合うと言うことを
少なからず思い出させてくれた様に思います。