本書は超ひも理論について、素人にわかりやすく書かれていて、かつ とても素直な書き下りになっています。たとえば、ここ2,3年超ひも理論の発展が滞っていることを、まえがきから親切に述べてくれています。
普通こうした書籍は読めば読むほど分からなくなっていくものですが、本書は 著者の説明の仕方がよほどうまいのでしょう、読めば読むほど不思議と理解できていきます。始めからすべてを説明せずに一つ一つ丁寧な解説がなされていて、議論が進んでいくと以前に学んだことの復習をそれとなく挿入してくれています。著者自身についてはよく知りませんが、わかりやすい言葉で天下りではなく説明できているのは、著者が超一級の研究者であることの証拠だと思います。(ちなみに最後の付録{サイクリック宇宙論}は著者自身の研究の紹介です)
超ひも理論という わりと最近の理論については、いつ頃どのように発展してきたのだろうか?と思うものですが、84年ごろシュワルツによって脚光を浴びウィッテンによって発展してきました。そして超ひも理論ができるまで、湯川秀樹、朝永振一郎をはじめ日本人も意外と多くかかわっていることも本書から知ることが出来ました。
イラストも多用されていて、超ひも理論について、はじめに読む本として良書です。