旧安定版 1.5.x を解説した3冊のジュームラ(Joomla!)参考書のうち、最も新しい2009年の本。Joomla!とは、CMS=コンテンツ・マネージメント・システムの1つ。年によって変動はあるが、世界トップレベルの人気を持つ、オープンソースのシステムだ。CMSとは、ブログのように、データーベース連動で、Webページを構築する仕組みの事。
日本では、国内に特化したXOOPS Cube(ズープス・キューブ)が有名だ。しかし、XOOPSは、メニューの自由度という意味で、決定的な問題を抱えている。メニュー配置が、搭載する機能に縛られてしまうのである。拡張機能はあるが、どれも一長一短で、広く使われている統合メニューが無い。例えば、ダウンロード・モジュールへのリンクが、製品ごとに複数箇所に点在している、という分類はまず無理だ。
その点、Joomla!は、メニューは基本的に好きなように組める。横型も縦型も、固定型も、多層型ドロップダウンも、標準で搭載されている。それぞれの項目に、後から機能を割り当てるような思想で、モジュール優先のXOOPSとは逆の概念で設計されている。柔軟な分、設定箇所は多く、どのボタンを押したら何が起きるのか、想像しにくい。
この本のやり方を一旦受け入れて、その通りに組んでみると、後々応用しやすい。How toもの、目的別解説と違い、作者のスタイルで進んで行くしかないが、結局その方が近道だ。ネット上の文献を頼ろうにも、高性能な割に良質な日本語文献が少なく、リンク切れも多い。動きが激しいので、日本語訳が間に合わないのだ。海外のコミュニティはドラスティックに動く。最大勢力を誇った掲示板のコミュニティがいきなり解散したなんて事もあった。文献に頼れるのは基礎だけだ。
Validな多層ツリーメニューなんて、今のWebでは当たり前なので、標準メニューが単層のXOOPSに、大規模サイトは荷が重すぎる。Joomla!は、UTF-8完全対応。調整は必要だがフルバックアップのプラグインもある。Linuxで組んだ全体像を、Windowsにリストアしたら、ちゃんと動いたし、Ploneのように管理メニューが激重という事もない。パイソンにも良さはあるが、やっぱり素直なRDB:MySQLが一番扱いやすいと感じた。
ブログだけなら、他のシステムでもいいが、記事、ブログ、ダウンロード、静止ページと、複数機能を盛り込むなら、Joomla!を避けては通れないだろう。但し、検索機能だけは、標準ではろくに役に立たない。外部ならGoogleを搭載すれば済むが、内部の場合はネックになるかも知れない。
2012年3月追伸:
2011/12月に同著者による新安定版、一歩前の
1.7.1 向け解説書が発刊されました。今後はそちらをどうぞ。