インドの本屋でも原書をみかけて買おうかどうか迷いましたが、
あえて邦訳版のほうを選択しました。というのは訳者がアメリカ人であり
日本語で絵本も出している詩人のアーサー・ビナードと知ったからです。
実を言うと、絵本の元になっているボブ・ディランの「FOREVER YOUNG」を
知らなくて、歌詞に何が書かれているかよりも、何を伝えようとしているかに
関心があったせいもあります。で、それは正解でした。
冒頭の見開き。とあるフォークシンガーが彼の歌を聴いた少年へ
ギターを手渡そうとしている。その絵に添えられた文がいい。
きみが 手をのばせば しあわせに どどきますように
(ちなみに原文は May God bless and keep you always,)
息子のことを想いながら作詞したというボブの心の中を
覗いてきたかのような、絵と文ではないでしょうか!
この気持ちの高揚はページをめくるにつれて高まっていく。
彼の息子へのメッセージは、未来あるすべての者へのメッセージとして
時空を超え、心を響かせてくれました。
巻末にはオリジナルの歌詞。そして絵を描くにあたって全てのアルバムを聴いた
というポール・ロジャースのトリビア的解説もあり、味わいに深みを加えています。
が、作品の背景を知らなくても、純粋に存在感ある絵本といえます。