各キャラクターが、まず愛おしい。
大金持ちだけどクラッシックな心優しきガキ大将銀二、病弱だけど手術の跡を主人公に「強い」と褒められたと語る鈴子(単身赴任先からクリスマスに帰った父親が「いいお友達だね パパもウッキー大好きだ」というワンシーンも素晴らしい)、計算高いメタボ体型の弟北斗(自分にも弟が出来ると知ってはしゃいでいるところを『彼女』にウザイとバッサリ言われている様も可笑しい)、キックボードで桐箪笥を背負って都心まで駆け付けるスーパーお婆ちゃん(その話のタイトルが「福島から」というのが偶然の符合故に複雑なものがある)。
無論、主人公ウッキーのあらゆる意味で規格外の行動とその行動原理も小気味いい。
終業日に持ち帰る嵩張る学習教材をジャンケンで負けた者が背負うという無謀な賭けに出る「賭博師の末路」と、変身能力を手に入れたのに競馬新聞持ったオッサンへ変身してスッテンテンになる「オケラに変身」から、いかに無茶に面白く全力で生きるかという姿勢が見えてくるような気がする。
それだけなら『ただの痛々しい子』にすぎないが、ウッキーは悪いことをしたと思った友達に一生懸命手作りのお菓子を作る優しい子でもあるのだ。
この優しい(ただし規格外れな)少女に育ったのは当然、気象予報士の父と天然系専業主婦の母の影響大な訳だが、この二人が抜群に魅力的だ。
むんこ作品の父親は基本オーバースペックで子供心を忘れていない『大人』だが、本作もキー局名物お天気おじさんというポジションに就いているハイパーインテリでありながらふざけ倒して、その実、家族が一番大事というスタンス。彼が絡むシニカルな笑い「あれは湯治の鬼だっちゃ」等がいいスパイスになっている。
母親もやはり理想的な母親像が多いが、本作の母親雅子さんは+可憐だ。滅茶苦茶可愛い。
娘へ水着を届けた後、ビキニを出して水風呂に入り、ソーメンを食べて微笑む「納涼」。
セリフ一切なし。とにかく可愛い!その晩に『家族計画を子供たちに見られている』と夫にかつがれ動揺する様なんて超可愛い!!
作者の中でも真の主人公はこの二人なのではなかろうかと考えている。
キャラクターばかり注目してしまったが、さり気なく各話の扉絵が粋だったりもする。
ホンダ・モトコンポに跨ってるウッキーの姿等はサイズのピッタリ感も相まって実に良い。
ストーリー的には、子供たちの七夕短冊の願いをUFOが叶えて回るお話が愛とユーモアが溢れていて素敵だ。
ラストページのメッセージは
「子供たちの未来に幸多かれ。そして応援してくれた皆様の明日が良い日でありますように」
らいか・デイズとはベクトルが少し異なるが、やはり基本テーマは愛(特に家族愛)なんだろう。
素晴らしい漫画だと思う。エピローグも爽やかだ。中学生になった卯月(ウッキー)の活躍がいつかまた見られたら嬉しい。