競争社会である世の中と仏教とでは,目標が異なる。世の中は,財産や昇進を徳とし,無限に頑張りを強いる。仏教は,自身の幸福や人としての尊さを志向し,損も布施として肯定する。著者は,豊かな生活よりも幸福な人生に目を向ける様に勧める:
善悪や美醜の観点から,只今の自分を愛せない人に。――世の中の価値観など気にするな。自分を嫌うな,自分を改造しようとするな。現状を厭い,理想を求めれば,そこに苦が生じる。南無そのまんま。現状を受け入れれば,不幸は去り,幸福が訪れる。
未来の出世や金銭を求めて,不本意な受験勉強や仕事に只今の時間を投じている人に。――世の中の競争から隠居し,他人との背比べを止める。多少の損は,気にしない。在りの儘の自分が只今を幸福に生きる事の方が,遥かに重要だ。未来なんて来てもいない,予想外なものかも知れない,ひょっとしたら来ないかも知れない。未来を心配しても甲斐がない。心配しても,しなくても,成る様にしか成らない。