「おばけの じかん」にまだ遊んでいる子どもは「おばけになって とんでいけ」。小さいおばけが大きいおばけに手をひっぱられて、夜空へぐんぐん登っていくシルエットが描かれたページでお話は終わる。その後どうなったのかは語られないままだ。オレンジ色のあかりがともるおうちが遠ざかるのもこわくて悲しくて、読み終えた子どもはきっとベッドへ一直線。もちろんしつけのためだけでなく、安心感たっぷりの暖かいベッドのなかでじっくり怖さを味わうのも楽しい。
手でちぎったような貼り絵の輪郭が背景の闇にぼうっと溶け込んで、夜の厳かな雰囲気を作り出している。人気シリーズ「いやだいやだの絵本」(『にんじん』、 『もじゃもじゃ』、 『いやだいやだ』)の1冊。著者の描く「おばけ」のとりこになった人には「おばけえほん」シリーズ(童心社)もおすすめ。(門倉紫麻)
読んであげるなら:1才半から
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近頃、自分にもそのような時期があったことを懐かしく思い出しました。テレビのニュースからは日々、恐ろしい事件や争いごとが伝えられ、いつのまにか大人たちは成長とともに“あのオバケ”の怖ろしさを忘れてしまったように思います。けれど、いまも変わらずこの本に多くの子供達が恐怖してくれていることに安心感すら感じます。
この話を読み聞かせてくれた両親と同じ世代になって、最近、彼らがどういう気持ちでそうしてくれたのかだんだんと分かるようになってきました。
久々にこの表紙に逢いたくなってこちらへ辿りつきました。
オバケとの再会に涙がこぼれました。
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