本書は、動物写真家岩合光昭氏の数多いネコ写真集の一つで、その名もそのまま『ねこ』。岩合さんのネコ写真集やカレンダーをいくつも持っている私にとって、
既に他所で見たことのある写真も重複して入ってはいたものの、とにかく自然体のネコたちがかわいい本だったので購入。
日本各地の猫を中心に、エジプトやギリシアなど外国の猫も載っており、岩合さん夫婦が昔飼っていらしたネコの海ちゃんも特集されている。
そのほか、最近話題の宮城県田代島の猫も載っている。世界各地で、日本の全都道府県で、ネコを長年撮りためてきた岩合さんならではの、幅広い範囲をまとめたネコ写真集。
他の本でも言えることだけれど、岩合さんの撮るネコ写真はとにかく自然体。モデルネコでもなく、媚びるネコでもなく、おもちゃ等で釣ってシャッターチャンスを人為的に作ったものでもない。
岩合さんが、ネコの仲間に入って、ネコと同じ視線でネコの普通の日常を切りとった感じで、ドキュメンタリーのようだ。むしろ逆に、ネコ語を操って話しかけて面白いポーズをとってもらったのかと思うほどで、
よくこんな場面をキャッチできたものだと思うような写真もたくさんある。普通に寝そべっていたり、のびをしていたり、あるいは招き猫にすりすりしていたり、健康食品を踏みつけていたり、
地域の方々と触れ合ったり、ひとり佇んだり、飛んだり、と見ていて飽きないネコの様子が激写されている。「ジャンプ」「運動する」「冬」「友達」など大体のテーマ別に写真が並んでいて、
普段のネコたちの様子がつぶさに観察できる。普通のモデル的に撮影したネコや、愛くるしさを強調することを主目的につくられた写真集よりもずっと自然でかわいい。
単にかわいいというだけではなく、そのおもしろい動きや優美な体、人と触れ合う様子やネコ同士の絡みなどが楽しくて、自然と笑顔になれるネコ写真集。