谷山浩子さんの『静かでいいな〜谷山浩子15の世界』に続く2枚目のアルバムですが、「お早うございますの帽子屋さん」でスマッシュ・ヒット、コッキーポップで聴かれるようになった作品で、前作から5年経過ということから、2度目のデビューと見た方がいいでしょうか。「お早うございますの帽子屋さん」からファンになった人の多くは、前作を知らない人が多いでしょうから…。NHKのステージ101に出ていて、白のグランドピアノ2台に向かい合って弾いた(相手は太田裕美さんだったでしょうか)ことを覚えているのは50歳以上の方でしょうか。
さて、このアルバムは、「お早う…」のほかに、男性と川のほとりを歩きながら別の男性のことを思いながら作ったともいわれるヒット曲「河のほとりに」、かくれた名曲「ねこの森には帰れない」などのほかに、LP当時は片面で構成された、タクシーのノイズと「お客さん、どちらまで?」の台詞で始まる、あまんきみこ原作の『車のいろは空のいろ(ポプラ社)』からの5曲。これがとてもおもしろく楽しい。曲が良いことはいうまでもないのですが、主人公の松井運転手をかぜ耕士さんが、山猫、くま紳士、きつねの司会者をクニ河内さんが演じているのも楽しい。(このアルバムが発売された頃には、かぜ耕士さんはラジオで『たむたむたいむ』をやっていたと記憶しています)「山猫おことわり」と「本日は雪天(ゆきてん)なり」が特に楽しめます。
谷山浩子さんは、この後、民話の世界など独特の世界観でアルバムを制作していくのですが、出発点としてみても本作はとても面白い。そんなことを全く気にしなくとも楽しめるのですが…。