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にんげん住所録 (文春文庫)
 
 

にんげん住所録 (文春文庫) [文庫]

高峰 秀子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

再び会えぬ人の名に出会うとき、あたたかな思いがよみがえる。大切な記憶を端正な語り口で綴る名エッセイ。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「MARC」データベースより)

亡くなった人のことばかり思い出す此頃です―。記された人の名を墨で消すとき、その人の面影が鮮やかに甦る。懐かしく温かな思い出の数々を端正な江戸前の語り口で綴るエッセイ。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 242ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/7/8)
  • ISBN-10: 4167587106
  • ISBN-13: 978-4167587109
  • 発売日: 2005/7/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By kh VINE™ メンバー
形式:単行本
 にんげんシリーズの第三弾。どこをひらいても高峰秀子独特の語り口が金太郎飴のごとく出てくる。前二冊を読んだことのある人なら、やはり手が出るだろう。そうでない人のために一言。

 映画の黄金時代を看板女優として過ごした人だから、当時のエピソードにはこと欠かない。小津安二郎、黒澤明、木下恵介といった人たちのエピソードをざっくばらんな女優らしからぬ(誉めことば)文章でつづっている。

 高峰秀子は、今は亡き淡谷のり子と冬の北海道の、オンボロの映画館で歌謡ショーの実演をしたことがある。見物客はオーバーコートにゴム長靴といった重装備だが、淡谷のり子は例の肌もあらわなロングドレス。スタッフの苦肉の策で、小さな七輪に炭火をおこし、その上に四角い炬燵ヤグラのような木枠をかぶせ、そこに股火鉢のように淡谷のり子がまたがり、ドレスの裾でヤグラをおおう。幕があくとこの状態のまま、彼女は悠然と眉ひとつつ動かさず、みごとに歌を歌いきったという。淡谷のり子という歌手のご面相と容姿を少しでも知っている人なら、このエピソードのオカシサは十分おわかりいただけると思う。さらにここに淡谷の津軽弁が挿入されると、哀しいやらおかしいやら。やはり女優は耳がいいので、人のしゃべりことばを文章にひろいあげるのがうまい。

 おわりに自分自身で書いた「私の死亡記事」を収録。「高峰節といわれた達意の文章で随筆集を重ねてファンに応えた」とお書きだが、それを驕りだと思う人は、少なくとも読者のなかには一人もいないだろう。

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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sirou55 トップ500レビュアー
形式:文庫
この本は読みたくなかった。なぜなら最後に著者自ら自分の死亡記事を書いているから。著者が冗談でそんな文章を書く人でないことは、著者の随筆のファンならご存知だろう。だからこの本は著者が遺作になることを意識して書いており、作品の順序も単純に発表順に並べていない。著者は書きとめておきたい故人を懐かしんだり、養母を最後には許す境地になったことを北野武の母と重ね合わせながら描いたり、自らの呼び名を通して小さな半生記を書いたりしている。

結局この本を単行本として世に出してから8年後の昨年12月28日に86歳で亡くなられた。作品中の死亡記事のように「ひっそり」と亡くなりはしなかったが、しあわせな晩年だっただろう。ご冥福をお祈りします。
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