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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
素敵な人です,
By last-fairy (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: にほんの建築家 伊東豊雄・観察記 (単行本)
出版記念トークショーに行ってきました。伊東豊雄さん自身が、この本は設計が事務所の中でどのように行われているか分かる、という点でこれまでになく面白いと思います、と仰ってました。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
迫真の臨場感、冴え渡る頭脳,
By 駱駝の桃ちゃん "駱駝の桃ちゃん" (ニューヨーク) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: にほんの建築家 伊東豊雄・観察記 (単行本)
著者の瀧口範子さんには、コールハウスを追いかけた前作から注目してきた。本書は、伊藤豊雄を三大陸に追った観察記。あとがきで、瀧口さんは、こう書く「とかくものごとを論理的に抑えようとする私の粗い網目を、伊藤は抜けていく。」だが、瀧口さんの「論理的」頭脳は、ただものではない。目の前で種々雑多にくりひろげられていく伊藤や彼をめぐる人々の行動を瞬時にとらえ、思考や感性など、きわめて抽象的な「意味」を直感的につかむ。観察は、建築に関する知識によってしっかり裏付けされているのだが、誰にでもわかるよう、必要な情報をていねいに教えてくれる。だから、建築にはまったくのしろうとである読者にも、日本の戦後の建築の歴史や、建築家のビジョンと時代との接点などが、あっというまに把握できる。読者に対してとても親切かつ、正直。消化しきれていない頭でっかちの理論に対しては、わからない、とはっきり言い、通を気取って読者を置き去りにするというイケズをしない。論理的骨組のすきまは、しなやかで素直でいながら鋭い感性が、補完する。伊藤をめぐる人々のインタビューも、商店街のおじさんから、先輩の大建築家、熱っぽい施主まで、短い登場時間にもかかわらず、それぞれの人生の軌跡をかいま見せる。大変な質と量のリサーチに裏付けられているに違いないのに、気負いや堅苦しさをまったく感じさせない。ある講演会でのシーン、伊藤はこう語る、「リラックスして、かつ一生懸命にお聞きください」。この本は、まさにそんな姿勢、つまりは「リラックスして、かつ一生懸命に読」んでしまう本。読み進むにつれ、建築を媒介に「自然や世界の一部であるという人間像」を追う伊藤の熱い思いが、じわじわ伝わってきて、おいしい料理を食べているような幸せ感でいっぱいになった。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
伊東豊雄を愛する全ての人へ,
レビュー対象商品: にほんの建築家 伊東豊雄・観察記 (単行本)
伊東豊雄の作品に初めて出会ったのはTOD'S表参道ビル。名立たる建築家の作品が林立する表参道に、ひと際際立つ完璧なまでに静謐さ。 オーケストラが調音を止め、指揮者がタクトを上げる一瞬前のような、期待感を持たせる緊張感。 雑踏の中たたずむケヤキ並木のモチーフがそのまま伸び、空に解けていくようなイメージに心を奪われた。 同じガラス張りの建築でも、ヘルツォーク&ド ムーロンのプラダビルの、黒いラバーコスチュームに身を包み、唇を舐めて見下ろすような挑発的な官能性とは一線を画す。 ナニガチガウノダロウ? ナニヲツイキュウシテイルノダロウ? 1つの建築が一冊の本を選ばせた。 日本の建築家伊東豊雄を追い、東京から仙台、松本、シンガポール、パリ、バルセロナ。 「ぼくは自分のスタイルをつくりたくないんですね。(中略)スタイルをかたくなに守ることは、ぼくには無理だと思います。今でも自分のつくったものがいつも次第に嫌になってくるんですね。それを叩き台にして、別のものに置き換えていくというやり方をしてきたんです。(中略)道を究めたということは、いちばんやりたくないことです。」 変身する建築家。軽くて透明、無機質でニュートラルな建築を追及していたのかと思ったら、逆に建築の持つ生命力、強さに目覚めていく。 現在の個人の生活、肉体、とりまく空間。イデオロギーではなく、即物的な部分から帰納的に見出していくイメージ。 イメージを形にする、と言葉にすると簡単でカッコいい。出来上がった作品も挑戦し続ける斬新さと、疑いのない美しさを見せる。 ただそこに存在する1人の建築家は、異次元でもがき苦しみ、そしてそれを楽しんでいた。 建築用語や基礎知識がなくても十分に伊東豊雄の鼓動と、彼を愛する人の思いに共振できる。
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