これは18禁美少女系PCゲーム『Lien』『このはちゃれんじ』『てこいれぷりんせす!』等のシナリオを手がけた荒川工がガガガ文庫に書き下ろした初ライトノベルです。
さて,感想ですが,荒川工は小説を書いても荒川工でした。畳み込むようなテンポの速い文章と溢れんばかりのギャグ数々、そして多用される状況説明の()書きという、所謂『荒川節』が好きな人なら大いに楽しめるけれど、苦手な人には楽しみ辛い作品かもしれません。
もちろん、『荒川節』大好な私は大いに楽しませていただきました。とはいえ、数多くの伏線や謎が残ったままで終わっており、ひとつの小説として完成されているかといえば、それは『否』としか言わざるをえません。しかし、作者自身続編を考えているようなので、本編は長い物語の序章ととらえるべきなんでしょうね。そういう意味では『ツカミはOK!』です。
ところで、荒川工はDeepな音楽(Rock)ファンであることでも知られますが、この作品に登場する真界の3人、クラウゼ、アンソニー、ブレグヴァドは、スラップ・ハッピー(Slapp Happy)という知る人ぞ知るドイツ出身のバンドのメンバー、ダグマー・クラウゼ(Dagmar Krause)、アンソニー・ムーア(Anthony Moore)、ピーター・ブレグヴァド(Peter Blegvad)、からいただいたものあり、また、主人公にこの友人である栗須そにあは、英国のプログレ・バンド、カーヴド・エア(Curved Air)のヴォーカリスト、ソーニャ・クリスティーナ(Sonja Kristina)からいただいたものです。
ついでにいえば、主人公のにこはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)の歌姫、ニコ(Nico)が元ネタかもしれません。
まぁいずれにせよ、わかりづらいネタであることには違いありませんが....