私が初めて筒井康隆氏に触れた記念すべき一冊。
250ページ余に41編が収められたショートショート集で、筒井康隆入門編としてお薦め。
どの作品も、筒井氏らしい「着想の意外性」にあふれている。
中でも私のお気に入りは、
「星は生きている」(あっと驚く事実を知らされた後にやって来るカタストロフィがおかしくも恐ろしい)
「怪物たちの夜」(これこそSFショートショートの真髄。叙述トリック的な展開が絶妙な快作)
「わかれ」(似たような設定の話はいくつもあるが、この視点は筒井氏ならでは)
「最終兵器の漂流」(ストーリー展開とオチのバランスが心地よく、お気に入りの一篇)
「きつね」(筒井氏独特の和風テイストが効いている秀作。「家」「遠い座敷」「エロチック街道」等の原点がここにある)
「池猫」(「鍵」に通じる悔恨がテーマ。このラストシーンを想像すると、夢に出て来ます)
「お助け」(筒井氏の記念すべき商業誌デビュー作。主人公が陥る窮地に至るまでの状況設定が他に類を見ない。短い作品中にハードなSF設定と神への信仰論という重いテーマを含んだ傑作!)
ショートショートの神様、星新一氏の解説も一読の価値あり。