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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日々は、いつもぼんやり霞む,
By おっか3 (札幌市南区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: なんとなくな日々 (単行本)
とても好きな文章だった。材料をモザイクのように詰め込んだいわゆる芸術的随筆(たとえば向田邦子や出久根達郎などの素晴らしさ)というのとは違って、隙間が多いのが心地良いという文体。その、捉えどころの無いのが素敵。人の顔を覚えられない見ている振りをしていても実は目が合った瞬間、別の所に意識を逃がしているなんてのが、面白い。そして実は、曖昧を好みながら、どのようなことにも激しい美意識がある人という気がする。洋服を構わないを人に言われるけれど…好きなものを毎日とことん着る。よれよれになると、ますます……とかいう部分にも激しく共感。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
美しい食の日本語,
By mayumomo "まゆもも" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: なんとなくな日々 (単行本)
たんたんと綴られる短編のエッセイ。やわらかな日本語、まるい平仮名をちりばめて 美しい文学を作り出す、川上弘美のエッセイ。 彼女のエッセイには食材が多く登場する。 それが些細な野菜や果物(オクラやみかん等など)なのに 今すぐその食べ物(例えばオクラやみかん)を買いに行かなくちゃ! 食べなくちゃ!という想いに駆り立てる。 つまりのところ、実に美味そうな表現をする。 丁寧に丁寧に日本語を操って。 日々手の届くところにあるけれど、 意外と見過ごしてしまいがちな“日常の贅沢”を 改めてしみじみと味わうにはこれ以上の本はないと云える一冊。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
日々是好日、こんな言葉が良く似合うエッセイ,
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レビュー対象商品: なんとなくな日々 (新潮文庫) (文庫)
過日、ある女流作家のエッセイを読んで、余りの内容の無さに呆然とした事がある。その点、本作は「なんとなくな日々」と先手を打ってある。ヤルじゃない。内容にも工夫が見られる。読者にマッタリ感を与えるため、政治・経済・思想的な問題には触れない。主な話題は、四季折々の草花と季節の移ろい、食べ物、友人とのささやかな酒宴、幼い頃の妄想とも取れる回想とノスタルジー、様々な人とのチョットした邂逅。特に季節に対して敏感で、各話の最後を季節・天候に関する描写で締め括る事が多い。「大きな、冬の太陽が、高架の向こうに沈もうとしていた」、「春の雨を、じっと眺めている」、「河童にも、人にも、等しく春が来る」等々。この一文がピリリと全文を引き締めている。作家としての文章構成力が自然と滲み出ているのだろう。また、著者は"人見知り"を自称する。こうした場合、実際は本人の"我が強い"場合が多いのだが、著者の場合、その通りかなと思わせる所がある。ある種の屈折した疎外感があるのだ。内向的な"意地っ張り"と言っても良い。それを剥き出しにしないで、ソフトにエピソードが綴られているので、自身を"社交性がない"と劣等感を持っている読者には共感が持てる。著者の言う"(他者と)混ざっていない人"が見た日常、と言う捉え方も好感が持てる。 日々是好日。こんな言葉が良く似合う「なんとなく」楽しめるエッセイ。
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