この本を読めば、ダイムラーベンツという会社と発足以来製造されてきたメルセデスベンツという車の発達史を俯瞰できる。通常のクルマ雑誌では殆ど取り上げられず、毎日乗っている人にしか気付かないようなメルセデスのさまざまな優れた特徴(デザイン、装置、利便性など)や、このクルマが今日世界に冠たる地位と信頼を得るに至った歴史などがよくわかる。メルセデスをこよなく愛し、この40年余、所有したクルマはメルセデスだけという著者の体験談と、メルセデスにまつわる数々の話題を取り上げたコラムは実に面白い。「発展史」は貴重な資料にもなる。わが国ではステイタスシンボルとして価値の高いこのクルマ、著者にとっては「極めて洗練された実用車」だそうだ。