冒頭の「大阪の歴史と今日と21世紀と」で大阪の歴史の概観を述べています。
大阪も戦前は大大阪と呼ばれ、人口において東京を凌駕する時代がありました。明治維新において、当初維新政府は大坂を首都にする予定で、造幣局を大阪に設立したということです。東洋のマンチェスターとして世界でも認識される都市でした。そんな大阪の歴史を名所図会と写真と文章で綴られた書です。大阪大空襲でかなりの戦前の建物と歴史的建造物は消失しましたが、いにしえの大阪をたどるには必須の本でしょう。
梅田・曽根崎、堂島、中之島、堺筋・北浜、御堂筋、船場、島之内、道頓堀・千日前、難波、四ツ橋・新町、川口、天保山・大阪ベイエリア、天王寺、上町台地、谷町筋、大阪城・京橋、八軒家・内町、天満・桜の宮・網島、大阪天満宮・天神祭、平野、住吉、堺という22ヵ所を取り上げ、紹介しています。それぞれの説明の最後には地図がありますので、しっかりとたどれるようになっています。
こうして取り上げられた地名を列挙しますと、大阪も魅力的な場所の集合体であることが分かります。京都の影に隠れて観光地としての魅力の発掘を叫ばれる中、歴史的景観を知る縁になりました。
摂津名所図会、和泉名所図会、河内名所図会、住吉名勝図会、天保山名所図会、淀川両岸学一覧から、江戸時代の大坂の姿を浮き彫りして、明治、大正、昭和初期、そして現在の写真と比較しながら、街の特徴を分かりやすく提示しています。
巻末に大阪市内の祭りと行事、大阪関係略年表も掲載してあり、観光案内やガイドブックとしての利用もできる体裁になっています。知られざる大阪を理解するのには好都合な書籍だと思いました。