『ぼくらの』が、「地球がセカイが」という次元の話だったのに対し、今回は「携帯のマナーが」というような、あまりにも些細なことを取り上げ、なおかつ「地球」にも「携帯」にも問題として大小・優劣などはなく、同じ問題なのだと訴えたい。
・・・という作者の意図はおおよそわかります。しかしツカミが悪い。
『ぼくらの』も一巻中盤までは意図不明だったものの、二巻でははっきり方向性を指し示していたのに対し、この作品は、二巻まで読んでも何処を目指すのかさっぱりわかりません。
「超越的な力を手にしたものは、それと引き換えに膨大な対価を支払わなければならない」、というのが『なるたる』以来の作者の世界観・主張なので、ストーリーはおそらくそのような方向に進むのでしょう。
しかし一巻末での最悪の展開は避けられたものの、ぬるい展開が続きます。
また残念ながらこの作者にはギャグのセンスがなく、シリアスな展開で読ませるところがないと、なおさら読み続けるのはしんどいです。
私も含め、ファンなら「鬼頭さんなら期待を裏切らないだろう」と考え、三巻以降も読むのでしょうが、鬼頭作品を知らない読者は二巻で放り出してしまうでしょう。
二巻までに読者を掴めない作品は「一見さん」を惹きつけることはできないので、ツカミとして不合格ではないかと思います。
三巻以降に期待します。