妖が見える絵師が主人公の、著者初単行本作品の再販。
主人公の七篠は、どうやら絵を描くことで妖を鎮める?ことが出来るほどの能力を持っているらしいが、それがメインの話は1話だけ。
ほとんどは、主人公他の人助けならぬ妖助けのお話。
著者の持ち味である愛嬌たっぷりの妖怪や、それに関わる素朴な人達の関係は健在。
想像するとオドロオドロしいはずのしゃれこうべが、空洞の目からぼろぼろ涙をこぼしながら恋人を探してと懇願する様なんかはいっそ可愛くすら思える。
もちろん手乗りサイズの豆犬や、主人公の懐に入り込んで懐きまくる管狐達は見た目も行動も可愛い。
言葉を話さない妖怪達が、これだけ可愛く表情豊かに感じられるのは、やはり著者の妖に対する愛情がたっぷり詰まっているせいか。
ただ、古い作品などは同人で発表したものらしく、内容がBLっぽい所も。
そういうのが苦手な人は気を付けた方が良いかも知れない。
最も、それっぽい部分は精々キスくらいで、宿屋の主人が主人公に言い寄ってベタベタするのを、軽くあしらっている、という程度。
明治という時代背景を考えると、男色というのが今ほど男性に敬遠される前らしいので、実際には良くあった話なのかも。
自分としては最近のポルノ雑誌みたいなBL漫画よりも、この位のBLの方がむしろ好きな部類だった。