はっきりいいまして、この本はスポーツの指導者本にありがちな監督論や
組織のマネジメント論についての本ではありません。また、なでしこジャパンを
率いた佐々木監督の人生を綴った自伝というわけでもありません。
もちろん、そのような部分も多少は含まれていますが、本の内容のほとんどは
佐々木さんが日本の女子サッカーを率いていくにあたり、大会ごとにどのように
計画と目標を立てて、チームを強化していったかが年月ごとに詳細に述べられて
います。試合ごとのレポートを膨らませていき、それをまとめて本にしたという
イメージでしょうか。
本日、2011年7月18日に女子ワールドカップで優勝という偉業を成し遂げたわけ
ですが、本を読んでいく中で日本の女子サッカーが飛躍的な進歩を遂げたことが
とてもよくわかります。佐々木さんがコーチを経て監督になったのは西暦2007年。
その当時のFIFA世界ランキングは10位台。長い歴史の中で国際大会で一度も優勝
したことがなく、アジアのなかでさえ日本チームは強豪とはいえない状況だった
ということが本では述べられています。
そのような中で、オリンピックベスト4を経てワールドカップ優勝を成し遂げる
という素晴らしい結果を出した選手やスタッフ、これまでの女子サッカーを
支えてきた人たちの努力の一端を、この本を読むことで多少なりとも理解すること
ができました。とても面白い本なので是非お勧めです。