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なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠
 
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なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠 [単行本]

ロジャー ローウェンスタイン , Roger Lowenstein , 鬼澤 忍
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

世界一の自動車メーカーとして君臨し、優秀企業の代名詞だったGM(ゼネラル・モーターズ)は、なぜ経営危機に陥ったのか?その最大の元凶は、巨額の会社負担を伴う手厚い企業年金制度である。半世紀にわたる経営者、労働組合、政府の無策と妥協によって膨れ上がった退職者へのコスト―年金や医療費の支払いは、会社の利益を食い尽くし、債務超過へと転落させたのだった。そして同様の現象が今、優良企業や地方自治体を次々に破産させている…。全米屈指の金融ジャーナリストが、「アメリカ経済のブラックホール」と呼ばれる年金問題を切り口として、世界経済を揺るがすビッグスリー救済問題の背景を解説。年金基金の運用悪化に直面する日本の企業に貴重な教訓を与える注目作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ローウェンスタイン,ロジャー
10年以上にわたってウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者として活躍。1989年から91年にかけて同紙株式欄にコラム“Heard on the Street”を執筆。ニューヨーク・タイムズ・マガジン誌やスマートマネー誌など経済・金融各紙誌に寄稿し、全米屈指の金融ジャーナリストとして知られる。作家としても高く評価されており、とくに巨大ヘッジファンドの破綻劇を描いた『天才たちの誤算』(日経ビジネス人文庫では『最強ヘッジファンドLTCMの興亡』に改題)は全米ベストセラーを記録した

鬼澤 忍
翻訳家。1963年埼玉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒業。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 351ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2009/02)
  • ISBN-10: 4532353521
  • ISBN-13: 978-4532353520
  • 発売日: 2009/02
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tonny_
形式:単行本
昨今経営危機が叫ばれているGM(ゼネラル・モーターズ)が主題のごときタイトルだが、GMに関する記述は本書全体の3分の1程度で、残りは米国の公務員年金に関する記述である。
全般的には、企業年金の給付を巡っての、労働組合の際限なき要求と経営陣の妥協が招いた顛末を綴った内容。年金給付の引上げは、原資を直ちに必要とする賃上げとは違い、原資の積立てを将来に先送りしたまま約束だけは容易にできてしまう。そのため、労働組合および経営陣双方の体面保持と点数稼ぎのために企業年金給付が「労使交渉の具」として利用されて来た経緯を本書は詳細に綴っている。そしてこの傾向は、株主の存在が辛うじて歯止めとなるGMなどの民間企業よりも、そうした規律が無い(労組が主要な票田であるため議会のチェックも働かない)公務員・自治体年金の方が遙かに深刻であることを本書は示唆している。

なお、日経の書評ではあたかも「エリサ法(年金受給権保護のための法律)が企業年金を駄目にした」かの如く紹介されていたが、本書におけるエリサ法に関する言及はごく僅かであり、ミスリードも甚だしい講評である。エリサ法の成立経緯については、同時期に刊行された『エリサ法の政治史』を参照されたい。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
読んで寒気がした。これは将来の日本の「最悪のシナリオ」を予告する本だ。有権者の増税アレルギーが非常に強いこと、労働組合が身内の利害しか眼中にないこと(口先でそれを否定するが実行は全く伴わない)、投票で政治家に大きな影響力を行使できること、日本とアメリカは類似点が多い。人口構成を考えると日本の方が明らかにレガシーコストが大きく、GMを笑っている場合ではないのだ!

社会正義と利権が表裏一体となっている(正義の実現のため自らにカネを要求する)という、労働問題の厄介な、そして不変の本質を明快に描き出している点も大きな功績である。

第一部ではGMの高コスト体質の大部分が労働組合の強さに由来しており、それが日本勢に敗北したひとつの要因であること、第二部では法に守られている公共部門の年金の方が利権化・問題化し易く、労働組合が投票によって気に入らない政治家を落選させられること、第三部では馴れ合い体質のサンディエゴ市が「海辺のエンロン」と呼ばれるまでに至った経緯を描く(馴れ合いによって腐敗した自治体は日本にも数多く、是非教訓とすべきだ)。

何より、「公務員という名の特権階級」という文言が傑作だった。これだけ見ても、他人事ではないのが理解できるだろう。尚、日本とGMが何故似ているのか分からない向きには、以下の著作を参考にされたい。
孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本
大貧困社会 (角川SSC新書)
このレビューは参考になりましたか?
By lm700j
形式:単行本
まずはGMの話
国家内国家たる大企業が自前で年金と医療保険の制度を作った
しかし戦後しばらくして日本との競争が激しくなって経営が傾くあたりで
退職者の分の負担がふくれあがって来た
しかしUAWはその特権を手放そうとしない
そして国民皆保険制度と国家の年金のある国との競争に負けた
国民皆保険制度や国家の年金の制度のほうが「マシ」だった、という話
実はUAWの創始者は社会主義の影響も受けていて
シンクタンクを作って国民皆保険や年金の制度を作ろうとしていた
惜しくも事故死してしまいその夢は潰えてしまったのだがな
もしそのもくろみが成功していたなら企業年金の悪夢はなかったであろう
皮肉にも社会主義が資本主義に残した制度というのが
企業が従業員の福祉に押しつぶされないために有効に働いたんだな
次にニューヨークの交通局の話で、過激化する労働運動とストライキ
それに対して強硬姿勢で年金などの基準を押さえ込んだ経営者の話
交通局と市には幸いにも「経営者」が存在したのだ
そして最後にサンディエゴの財政破綻の話
税金は徹底的にケチるくせにサービスだけ要求する糞市民と
そのくせ無駄なハコモノばかり作る馬鹿市長と止めないマジキチ市議会
涙目で年金基金から資金をくすねてくる市当局
著者は金融ジャーナリストで有りながらもそれだけにはとどまらず
アメリカの労働運動史や政治史の視座からも読み解いている
結局、企業対労組とか首長対労組だと労組は圧倒的に有利だが
国家対国民だとまあ国家がしけていてもなかなか文句は出づらいのである
日本だって年金や医療制度に対してはgdgdではあるが
まあそんでもずいぶんマシではあるな、と思うことしきり
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