既に何人かの方がレビューされていますが、ポッゲの主張はとても意義のあるものです。この30年、特に東西冷戦構造が実際に崩壊した20年間のグローバリゼーションの動きの中で、自由と平等が並立せず対峙する概念になってしまっています。西洋の伝統的な二元論からの発想はビジネスの勝ち負け、優劣には有用ですが、最大多数の幸福を実現する社会政策を進めるには欠陥があり過ぎます。解決すべき事項への具体的な提案も示す著者の姿勢は高く評価できますし、我々がこれから真剣に議論すべき内容です。
ところが、本書の訳のおおよそ半分を担当する、アシスタントと称するS氏の訳が全くダメで真意を十分に読み取れません。これだけ直訳をそのまま掲載したのは監訳の立岩先生の責任も大です。S氏自身、本書の内容を十分に理解できていないのではないでしょうか。あまりにも酷いです。
故に訳本については★1とします。繰り返しますが原著は★5です。