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なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)
 
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なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫) (文庫)

H.S. クシュナー (著), Harold S. Kushner (原著), 斎藤 武 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

幼い息子が奇病にかかり、あと十余年の命と宣告される―理不尽と思える不幸に見舞われたラビ(ユダヤ教の教師)が絶望の淵で問う。神とは、人生とは、苦悩とは、祈りとは…。自らの悲痛の体験をもとに、旧約聖書を読み直し学びつかんだのは何であったか。人生の不幸を生き抜くための深い叡智と慰めに満ちた書。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

クシュナー,H.S.
1935年ニューヨーク生れ。コロンビア大学卒業後、ユダヤ神学校に学びラビとなる。現在ボストン近郊ナティックにあるイスラエル・テンプルの名誉ラビ

斎藤 武
1943年生れ。米国エモリー大学神学部に学んだ後、病院で牧会カウンセリングに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 全知全能ならざる神, 2009/3/8
現代のヨブ記−というサブタイトルがついている。

著者のH.S. クシュナーという人は、ユダヤ教のラビである。
作家や学者と言うわけではなく、この著書は奇病「早老症」を発病した息子の運命と、その父親である自身の運命とに対峙し、神との関係性を問い直すに至った変遷を綴ったものである。

読んだのは岩波文庫版であるが、少々くどい。
たった二百数十ページであるけれど、もっと簡潔に書けるのではないか・・・そう思ってしまった。
だが、それは内容がツマラナイというのではない。
彼は彼なりに、自身に起こったことと、そのことによって揺れ動かざるを得なかった心情の全てを正直に余すところ無く、語り尽くしている。

彼の痛みと疑問は、「なぜ、よりによって私にこの苦難がもたらされたのか?」というものだけれど、逡巡の後、彼、クシュナーは、ユダヤ教という絶対神を拝する民族宗教のラビでありながら、神は「全知全能ではない」というところまで行き着く。

我々に降りかかる多くの不幸、災難、不運は、神が生み出したものではない、だが同時に神はそれらを取り除けない、というのだ。

それでも、息子に苦しみをもたらしたのが、神ならば礼拝できないが、苦しみを取り去れない神は礼拝できる・・・とも言う。

そして、結論としては、おおかた以下のようなことである。

「神は実在しており、宗教家たちがでっちあげた空想ではないということを、絶えず私に確信させてくれる事実は、力や希望や勇気を求め祈る人たちが、祈る前にはもちあわせていなかったそれらのものを、ほとんど例外なく得ているということなのです。」

「私は神を信じています。しかし、今の私は、神学生だったころや子供だったころと同じことを信じているわけではありません。私は神の限界を認識しています。自然の法則のために、人間の進化や人間の道徳的自由のために、神になしうることには限界があるのです。」

万物の創造主である神も、全知全能ではない。
だが、それでも神は人々に希望をあたえ、乗り越えるチカラへと導こうとする・・・ということだろうか。



ならば、我々と神は如何に関わるのか・・・どのような関係が生じるのか?
我々に降りかかる不幸、災難、不運・・・そして貧困などは、神は生み出さず、また神にそれを取り除くチカラはなく、ただただ善なるものだけを生み出し、示し、導こうとするのが神であるのか。
その道すがら、遭遇する不運は、まさしく不運なのであって、神にはそれを制御する能力は無いというのなら、その不幸、災難、不運はどこから来るのか。
何処からでもない、自然の法則による必然的偶然に、我々がこれまた偶発的に遭遇しても、神は自然の法則の前に呆然と立ち尽くす存在なのか。
そうであるならば、その神に、自然の法則を生み出したのは誰なのかと問うても仕方の無いことかも知れない。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 神様とのつきあい方, 2009/6/27
人は自信がなくなると孤独を感じる。他人を恨んだり、怒ったり、助けてくれと言ったり。ショックを感じたとき果たしてどの選択が「正しい」のか?
宗教を信じている信者が突き当たる悩みを基本に、現代の不思議な因果をどう受け止めればいいのか、ヨブという聖書に出てくる人物の行動や思考。誰もがいつか突き当たる(なければそれは不幸なことだ)事象を分析する。神は皆に平等である。それは無力ではなく貫徹する事実である。
人生には人付き合いがついて回り、ショックを受けるような事でもそれは神様が与えてくださった思考トレーニングであり、そのことで一人の人間の成長である。誰かが苦しみ心が折れそうになっていたら無視するのではなく、助けられないか考える一つの知識として、こうしなければいけないと言うものの裏には、その人物が過去に掴んだ知識があるのであり、それは善意であろうと悪意であろうと、今、言ったことの意味がどこかにあるのである。
読み終わったとき、いろいろな考えが浮かびそれはショックみたいな物で混乱した。果たしてこのレビューで良かったかというと駄目だと思う。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「柔軟な」神についての捉え方, 2009/5/30
あまりにもありふれていて、つい、通りすぎそうになる書名ですが、人間にとって根本的な課題である「苦しみとは何か?」そして「何故、この世に悪はあるのか?」について、大変深く考察した本です。

筆者は、一般的にありがちな「天罰」や「個人の成長の糧」、或いは「神の遠大なるご計画」のような苦しみの捉え方を、否定していきます。加えて、「この世の悪の存在」についても、人間の自由意志との関わりで答えていきます。この間の論理は、まさに「論証」と言えるくらいのレベルです。それゆえ、息の長い文章なのですが。

自分の感じた苦しみがリアルであればあるほど、「救い」になる書物だと思います。

また、このような神概念を持つ(ことを許す?)ユダヤ教についても、個人的には興味を持ちました(筆者は、ユダヤ教のラビ)。

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