本書は、週刊東洋経済などに掲載された文章を集めて、「第1章 経済政策を考える」「第2章 金融というやっかいなもの」「第3章 なぜ政治はうまくできないのか」「第4章 政府は何をしているのか」「第5章 歴史から学ぶ」「第6章 土地の経済学」の6章に分類・整理して納めた本です。
それぞれの記述はなかなかユニークな視点も含まれ、興味深い記述も随所にみられます。
しかし、雑誌等に掲載された文章を集めた本なので、「1冊を通して整合性のある経済政策提言」というタイプの本ではなく、どちらかというと「個々に発表された、経済・政治・歴史ネタのエッセイ」と思って読んだ方がピッタリきます。
日中戦争や太平洋戦争当時の軍部や満州の話など、現在の日本経済とはあまり関係しない記述も出てきます。
内容的には、たとえば、第1章では、いきなり「バラマキは悪くない」から始まり、この主張があちこちに出てきます。一見意外な論調のような感じがしますが、言わんとするところは「能力に欠ける役人が恣意的な政策にカネを使うより、民間や個人にそのままカネを渡して使い方を選ばせたほうがよりよい資源配分ができる」という、わりとよくある主張です。
そして、「財政政策だけでなく、金融政策を使ってデフレ経済から抜け出すべき」ということが書かれていますが、これもよくある主張です。
民主党の事業仕分けの委員に選ばれただけあって、「バラマキ」との批判が強い、子ども手当や農家の戸別所得補償制度に賛成するなど、民主党の政策に肯定的な主張が目だちます。
なお、この著者の論旨展開は、(うまく表現できないのですが)ある種、独特のカラーがあり、人によっては違和感を感じるかもしれません。
なので、内容を拾い読みしてから買うほうがいいかも知れません。